Bing
PVアクセスランキング にほんブログ村

削器2023年12月28日 09:59

削器/埼玉県立歴史と民族の博物館

削器(さっき)はナイフ状の厚い刃を持つ石器である。

概要

世界的には『スクレイパー』として掻器と削器は同じ分類となる。 剥片の縁辺に腹面に60度前後の角度で調整剥離を加えて厚い刃を作る石器である。 剥片や石刃など素材の側縁に二次加工を施した石器である。 後期石器時代の石刃を素材としたスクレイパーには、石刃末端に刃を作るエンドスクレイパーと石刃側縁に刃をつくるサイドスクレイパーとがある。日本では杉原荘介が前者を掻器とし、後者を削器とした。尖頭状削器や内湾した刃部をもつ抉入状削器,ノッチが連続する鋸歯状削器などがある。削器は石刃または剥片の側縁部に二次的な調整剥離を加えた石器であり、刃部断面形は掻器よりも薄くなる。

用途

動物解体用の切断・削り具、皮のナメシや木、骨などを削るために使ったと推定される。

出土例

  • 削器 - 青谷遺跡出土、神戸市西区、サヌカイト製、弥生時代中期
  • 削器 - 寺屋敷遺跡、岐阜県揖斐郡揖斐川町、旧石器時代
  • 削器 - 立美遺跡、富山県南砺市立野新、後期旧石器時代末期

参考文献

  1. 杉原荘介(1965)「先土器時代の日本」『日本の考古学』 第1、河出書房新社
  2. 桑波田武志(2004)「石清水型削器小考」鹿児島県立埋蔵文化財センター (2) ,pp.1-10

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/12/28/9646380/tb