殿山横穴遺跡群 ― 2024年01月21日 15:44
殿山横穴遺跡群(とのやまおうけつぼいせきぐん)は東京都世田谷区にある古墳時代の横穴墓遺跡である。
概要
武蔵野台地縁、野川に面した台地に立地し、武蔵野と立川の間の崖面に位置する。多摩川左岸の国分寺崖線斜面、標高22m 付近に立地している。台地上部は殿山遺跡・大蔵館跡、さらに古墳時代終末期の群集墳である殿山古墳群が存在する。崖線部の地質は表土下に関東ローム層で覆われ、約8m以深に固結シルトが堆積する。
調査
東京外郭環状道路(外環道)の東名ジャンクション(仮称)建設予定地に、古墳時代の横穴墓群が見つかり、2015年8月から東京都スポーツ文化事業団が発掘調査を行った。調査は平成27年6月22日から平成27年10月20日にかけて行われた。横穴墓は両袖を持つ羽子板形11、袖を持たない撥形3、不明1で、撥形では玄室奥に棺台を持つもの1基がある。 横穴は全部で17基あり、内部からは葬られた「人骨」とともに、鉄の刀などの武器や首飾りなどの装飾品が出土した。遺物は、須恵器2 点、土師器1点と出土は僅かであったが、ガラス小玉506点、切子玉15点などが出土し、鉄製品では鉄刀12 本などのほか、鞘に付帯する足金具とみられる鉄製品、弓に付帯する両頭金具、鑷子状の鉄製品、銅製品では耳環13 点などが出土した。盗掘被害に遭っていないため、副葬品の保存状態が良好であった。
見学会
発掘調査の状況を地域住民を対象に平成27年9月26日(土)に見学会を開催した。参加者数は607名であった。
遺構
- 横穴墓
- 玄室
- 羨道
出土
- 須恵器
- 土師器
- 玉類 - 勾玉・管玉・切子玉・棗玉・ガラス小玉・土玉(丸玉)
- 鉄製品〔直刀、両頭金具、刀子、鑷子状鉄製品〕
- 銅製品〔耳環〕
- 鉄鏃
アクセス等
- 名称:殿山横穴遺跡群
- 所在地:世田谷区大蔵5丁目20番地先
- 交通:成城学園前 から南に徒歩24分 1.8km
参考文献
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