姫塚古墳(千葉県) ― 2026年02月09日 00:40
姫塚古墳(千葉県)(ひめづかこふん)は千葉県横芝光町に所在する前方後円墳である。 「中台姫塚古墳」ともいう。「日本百名墳」の一つである。
概要
姫塚古墳は芝山古墳群のひとつで、千葉県北東部の九十九里平野を流れる木戸川流域の標高40mの台地上にある古墳である。姫塚古墳は、殿塚古墳とともに国指定史跡『殿塚・姫塚古墳』に指定されている。。 殿塚古墳とともに豊富な埴輪群を出土した代表的な前方後円墳である。低平な台地に所在する両古墳は平行しており、殿塚古墳の北30mに立地する。姫塚古墳の規模は、墳長58.5mを測り、後円部は径35m・高さ4.5m、前方部は幅36m・高さ4.8mである。。 昭和31年に観音教寺と早稲田大学による学術調査発掘調査が行われ、姫塚古墳から埴輪列が出土した。埋葬施設は無袖式の横穴式石室である。玄室の幅は1.65m、高さは1.8mである。築造時期は6世紀中葉と考えられている。豊富な形象埴輪や副葬品の内容から、被葬者は九十九里平野北部を基盤とした有力首長層に属すると考えられている。
埴輪
形象埴輪列は45体あり、当時の原位置で出土しているため、埴輪の配列の意味の分析がしやすい。埴輪は美豆良を結い、顎髭をたくわえ、山高帽を被る男性、馬と馬子、また正装女性は巫女と見られる。形象埴輪列が原位置を保って完存していたことは、学術的な価値が極めて高い。墳丘南側は朝顔形円筒埴輪を立て、北側は前方部の角から後方まで50mに渡り、埴輪列が続く。
大形で優れた造形の埴輪群である。姫塚古墳の埴輪群は葬列の様子を表したものであり、埴輪が外を向いて立てられていることは、古墳を見る人を意識して並べられている「見せる埴輪」であることが分かる。このような配置は、古墳が単なる墓域ではなく、権威や儀礼を可視化する場であったことを示しており、関東地方における後期古墳の政治的・儀礼的性格を考えるうえで重要である。
調査
副葬品は、金銅製耳環、銅碗、頭椎大刀、鉄地金銅張杏葉、金銅飾金具、勾玉、勾玉、水晶切子玉、琥珀棗玉、ガラス製小玉、方頭太刀、鉄刀、鉄鏃、刀子、金銅製装金具、金銅製球状装金具、金銅製雲珠、轡、鉄釘、土師器、須恵器がある。
規模
- 形状 前方後円墳
- 墳長 58.5m
- 後円部径 径35m 高4.5m
- 前方部 幅36m 長28m 高4.8m
外表施設
- 円筒埴輪 円筒・朝顔形Ⅴ式
- あごひげの男性埴輪
- 葺石
主体部
- 室・槨 横穴式石室
遺物
- 金銅耳環6
- 金銅飾金具5
- 金銅球状金具4
- 勾玉5
- ガラス小玉82
- 水晶切子玉3
- 琥珀棗玉3
- 方頭大刀1
- 直刀13
- 鉄鏃 あり
- 刀子3
- 金銅雲珠6
- 鉄地金銅張杏葉1
- 金銅鞍金具1組
- 轡2
- 須恵器 3
- 鉄釘 - 石室内
築造時期
- 古墳時代(6世紀)
被葬者
展示
- 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館
- 芝山ミューゼアム 芝山仁王尊
指定
- 2026年(令和6年)8月27日 国指定重要文化財
- 1958年(昭和33年) 国指定史跡(芝山古墳群)
アクセス等
- 名称 :姫塚古墳
- 所在地 : 〒289-1741 千葉県山武郡横芝光町中台
- 交 通 :芝山鉄道「芝山千代田駅」または、JR総武本線「松尾駅」から芝山ふれあいバスにて「芝山仁王尊」下車、徒歩10分
参考文献
- 滝口宏(1956)「千葉県芝山古墳調査速報」『古代』19・20合併号
最近のコメント