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石刃2024年01月25日 00:10

石刃(せきじん)は長さが長さが幅の2倍以上で稜線・両縁が平行の剥片石器である。

概要

後期旧石器時代を代表する石器である。石刃鏃文化は高度な石刃技法によって得られた石刃の腹面に加工を施す。黒曜石の石核から縦長形状の細く薄い石刃を連続的に多数をはぎ取り、素材とする。

年代

約2万3000年前の石器である。そのほか縄文時代の遺物が出土する。国内最古の石刃はトリデロック遺跡と香坂山遺跡の石刃である。香坂山遺跡の石刃は3万6800年前、トリデロック遺跡の石刃は3万6900年前である。日本列島東北地方においては、後期旧石器時代の一時期に石刃石器群が盛行し多様化する。

剥片と石刃の違い

剥片は大きめの石を打ち欠いたもので細長いものとは限らない。剥片のうち稜線・両縁が平行で細長いものが石刃である。

ナイフ形石器と石刃の違い

石刃はそのまま石器として使えるものではないので、石刃を加工してナイフ形石器を作る。

海外事例

朝鮮半島では4万1千年前の大型石刃がみつかる。アフリカで誕生し、ユーラシア大陸を東に拡散した現生人類に特有の石器群である。

調査

出土例

  • 石刃 - トリデロック遺跡、長野県佐久穂町、後期旧石器時代初頭、
  • 石刃 - 香坂山遺跡、長野県佐久市、3万6800年前
  • 石刃 -大巻平遺跡、広島県呉市蒲刈町大浦、後期旧石器時代

参考文献

  1. 渡辺玲(2016)「東日本における後期旧石器時代前半期石刃石器群の展開」史觀 (174), pp.143-145