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西岩田遺跡2024年01月20日 00:05

西岩田遺跡(にしいわたいせき)は、大阪府東大阪市にある古墳時代の遺跡である。

概要

西岩田遺跡は河内平野のほぼ中央に所在する。弥生時代中期以前は河内潟の満潮時汀線より下位にあった。すなわち古墳時代より前には、河内湖より水面下にあった。弥生中期末以後の海水面の低下と旧大和川による急激な沖積作用とによって陸となり、河内湖の水域と広い千潟を前面にのでむ微高地上に集落が形成され、5世紀頃から人が住むようになった。西岩田遺跡は古墳時代には水辺の集落遺跡であった。木製農具の出土より西岩田周辺で農業が行われていたことは確実といえるが、南の集落に比較すると半農半漁であり、水上交通の拠点となっていた。2022年6月23日に現地見学会を実施した。

調査

1960年代に発見され、昭和46年には中央南幹線下水管渠築造に伴って西岩田遺跡で最初の発掘調査が実施された。出土土器のなかで近畿地方の古墳時代初頭の土器型式(庄内式から布留式古段階)と吉備地方の同じ頃の上器型式(酒津式)とが同じ地層より出土することが注目された。庄内式の甕にみられる胴部内面をヘラで削る技法は吉備地方からの影響であることが証明された。1971年(昭和46年)調査では古墳前期の井戸や奈良時代の掘立柱建物などが検出された。1982年(昭和57年)の発掘調査では、古墳時代前期の溝、奈良時代の柱穴などを検出した。横幅7.2m、奥行3.6mの掘立柱建物が検出された。奈良時代以前の建物とみられる。その下層から古墳時代中期から後期の遺物が発見された。須恵器が多く、特に高坏が多く出土した。そのほか高坏に載せる蓋、坏身、壺、甕、製塩土器、石製臼玉が出土した。その下層から籠目土器、船の櫂、有頭棒(杵や機織りに使う)、横鍬(田を均すために使う)、大型木製品(用途不明)が出土した。 2023年4月、3世紀前半の木製仮面が出土した。国内3例目である。

遺構

  • 竪穴建物
  • 倉庫
  • 掘立柱建物
  • 土壙-
  • 井戸

遺物

  • 土師器
  • 須恵器
  • 瓦器片
  • 古瓦片
  • 摺鉢片
  • 石製臼玉
  • 製塩土器

指定

時期

アクセス

  • 名称:西岩田遺跡
  • 所在地:大阪府東大阪市西岩田3丁目/4丁目
  • 交 通:近鉄奈良線 若江岩田駅 徒歩16分

参考文献

  1. 瓜生堂遺跡調査会(1976)「西岩田・瓜生堂遺跡 試掘調査報告書Ⅰ」