円形周溝墓 ― 2026年06月08日 19:04
円形周溝墓(えんけいしゅうこうぼ)は弥生時代から古墳時代にかけて造られた、円形の墓域の周囲に周溝を巡らせた墳墓である。
概要
円形周溝墓は弥生時代に出現した墓制であり、その成立については朝鮮半島の墓制との関連を指摘する説もある。弥生時代を通じて造営され、一部地域では後期に大型化した。古墳時代まで作られた。古墳のような大規模な墳丘を持たない例が多い。周溝や墳丘の規模はさまざまで、直径数mの小型例から20mを超える大型例まで知られている。円形の径は5mから6m前後である。周溝内から土器が出土する。副葬品は古墳に比べると質と量で劣る。
著名な事例
2016年春、奈良県橿原市の瀬田遺跡で、弥生時代の終わり頃に造られた「円形周溝墓」が見つかった。円形の墳丘の南側に台形の陸橋がとりついており、古墳時代の「前方後円墳」によく似る。全長はおよそ26メートル、墳丘の直径は約19メートルである。 青森県青森市の新町野遺跡では遺構の外郭を円形状に掘り、溝から出た土を溝の内側に古墳状に盛り上げる。徳島県の昼間遺跡では円形周溝墓の中央に遺体を安置するために結晶片岩と砂岩を用いた石囲いの主体部が確認されている。
起源
円形周溝墓の埋葬主体は1基の場合が多いが、複数の埋葬施設を持つ例もある。日本では岡山県、香川県、兵庫県、大阪府、奈良県などで確認されている。 近畿地方では円形周溝墓は方形周溝墓より少ない。一方、弥生時代後期には円形周溝墓は大型化する。
事例
- 円形周溝墓 - 昼間遺跡、徳島県。
- 円形周溝墓2基 – 平原遺跡、福岡県糸島市
- 大型円形周溝墓 - 瀬田遺跡、奈良県橿原市、国内最大級。
- 円形周溝墓- 新町野遺跡、青森県青森市、
参考文献
- 大塚初重(1996)『古墳事典』東京堂出版
- 都出比呂志(2005)『前方後円墳と社会』塙書房
- 岩永省三(2010)「弥生時代における首長層の成長と墳正墓の発達」九州大学総合研究博物館研究報告8,pp.17-42
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