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有田七田前遺跡2026年07月10日 00:05

有田七田前遺跡(ありた ななたまえ いせき)は福岡県福岡市早良区の有田遺跡群を構成する遺跡である。夜臼式土器・朝鮮無文土器・刻目突帯文土器・炭化米が共伴して出土したことで知られ、縄文時代晩期から弥生時代早期への文化的移行、弥生時代早期から前期における水稲農耕が伝播し定着する過程を考える上で重要な遺跡である。

概要

福岡県を流れ、室見川が形成した早良平野のほぼ中央部に位置する標高7.5mの遺跡である。更新世に形成された洪積台地の東南部に位置する。 有田七田前遺跡は、有田・小田部地区に広がる複合遺跡群「有田遺跡群」を構成する遺跡の一つである。 周囲の沖積低地より一段高い微高地に位置する。周辺には牟多田遺跡、鶴町遺跡など夜臼式土器を出土する遺跡が多い。沖積低地では刻目突帯文期の遺物が大量に出土している。旧河道が埋没して停滞水域となり、その中へ土器などの遺物が廃棄されたと考えられている。遺跡は主に福岡市教育委員会によって調査され、1970年から1980年代にかけて実施された発掘調査では、1985年調査を含め、旧河道や溝状遺構などが確認された。 有田七田前遺跡は、夜臼式土器・朝鮮無文土器・刻目突帯文土器が同一遺跡から確認され、さらに炭化米も出土したことから、、北部九州における縄文時代晩期から弥生時代早期への文化変容を検討する上で重要な遺跡と評価されている。

調査

縄文時代晩期を中心とする土器・石器・土製品が出土した。土器の大半は夜臼式土器である。甕形土器I類、甕形土器Ⅱ類、甕形土器Ⅲ類、甕形土器Ⅳ類が出土した。土製品には紡錘車と土錘がある。石器には石鏃・石斧・石包丁・打製石鎌・石槍・磨製石剣・石錘・磨石・砥石などがある。 縄文晩期の夜臼式土器の中から朝鮮半島系の無文土器(朝鮮無文土器)が検出された。夜臼式土器は北部九州の縄文時代晩期末から弥生時代早期を代表する土器型式である。縄文時代晩期から弥生時代への文化的移行や朝鮮半島との交流を考える上で重要な資料とされている。1985年の調査では遺構として河川・包含層・溝状遺構が検出され、刻目突帯文土器の時期の土器が出土した。磨製石包丁や炭化米なども出土しており、玄界灘沿岸地域における初期稲作文化の展開や弥生文化の成立過程を考える上で重要な資料を提供している。

有田七田前遺跡の重要性

多量の夜臼(ゆうす)式土器とともに、大陸系の石器(磨製石器や石庖丁など)が出土した。この組み合わせは、この地域で日本列島における本格的な水稲耕作が早い段階から開始されていた可能性を示す。弥生時代の環濠集落や日本最古級の絹が出土した甕棺墓などが発見された拠点でもある。さらに石器の中に未製品が多く含まれており、大陸系石器の「伝播」だけでなく、当時の人々が大陸系の石器製作の技術や文化を受け入れていたという複雑な様相を示している。多量の夜臼式土器と大陸系の磨製石器石器は初期稲作農耕文化の到来を物語っている。

遺構

  • 川状遺構
  • 溝状遺構
  • 包含層

遺物

  • 突帯文土器 - 夜臼式土器
  • 甕形土器1類
  • 甕形土器2類
  • 甕形土器3類
  • 甕形土器4類
  • 鉢形土器2類
  • 土製品
  • 石鏃
  • 石槍
  • 石錐
  • 石匙
  • 石剣
  • 石斧
  • 柱状片刃石斧
  • 蛤刃石斧
  • 石包丁
  • 屈曲甕

指定

アクセス等

  • 名称:有田七田前遺跡
  • 所在地:福岡県福岡市早良区有田字七田前
  • 交通:福岡市地下鉄室見駅から徒歩32分

参考文献

  1. 福岡市教育委員会(1983)『福岡市埋蔵文化財調査報告書95:有田七田前遺跡』福岡市教育委員会
  2. 福岡市教育委員会(1996)『有田・小田部』福岡市埋蔵文化財調査報告書第471集,福岡市教育委員会
  3. 藤尾慎一郎(1987)「福岡市早良区有田七田前遺跡一九八五年度発掘調査」九州文化史研究所紀要 32,pp.73-126

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