石剣 ― 2023年08月29日 19:29

石剣(;せっけん)は縄文時代後期から晩期に出現した石製の石器である。弥生時代の石剣とは異なる。
概要
縄文時代
端部に向かってすぼまる棒状の形態である。両端は尖らず、まるいふくらみのある小さな端面を形成する。両側縁に鋭角の稜をもち、断面レンズ形を呈するもので、断面楔形を呈するものを「石刀」という。日常の生産活動などに使われたものではなく、祭祀等の道具として使用されたと考えられる。
弥生時代
朝鮮半島より移入された磨製石剣と、日本列島(特に瀬戸内海地方・近畿地方)で成立した打製石剣とがある。対人用鏃として同時に伝来した磨製石鏃とセットであり、日本列島での戦争の開始頃に初めて使用された。金属製の短剣を模したもので、磨製石剣には剣のみを模したもの(組合式)と剣と柄の双方を合わせて模したもの(一体式)がある。 石剣は、鉄・銅の剣に比べると、武器としての実用性は薄いが、遺体に刺さっていたと考えられる剣先が墓から見つかる例があるため、戦争に使われていたことは確実である。他に刃がない石剣もあるため、祭祀に使われていたものもある。
出土例
- 石剣 - 真福寺貝塚 繩文時代後期から晩期
- 磨製石剣 赤柴遺跡、縄文時代早期後葉、福岡県嘉麻市鴨生字別田出土
- 磨製石剣 頭高山遺跡、弥生時代中期
- 磨製石剣 感田上原遺跡、弥生時代 中期、福岡県直方市
参考文献
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