造り出し ― 2023年08月29日 20:12
造り出し(つくりだし)は古墳に直接取り付けられる、半円または方形の壇状の施設である。 「造出し」、「造出」とも表記される。
概要
くびれ部付近の片側あるいは両側に設けられる舞台のような施設である。造出しは古墳時代 中期の古墳に多くみられる。すべての古墳にあるわけではない。
性格
造り出しの性格については埋葬主体説、祭壇説などがある。後者の死者を葬る際に儀式をおこなった場所と考えるのが有力とされる。名古屋市断夫山古墳の西側にある造出から多数の須恵器が発見された事実から、これを一種の祭壇とみる説が提示されている(大場磐雄(1930))。古墳時代後期に属する奈良県二塚古墳では、造り出し部に横穴式石室が設けられおり、土器類の副葬が行われていることから、単なる祭壇からやや性格を変えてきている可能性がある。
出土例
- 造り出し 恵解山古墳、京都府長岡京市
- 造り出し 赤土山古墳、奈良県天理市、前方後円墳
参考文献
- 塩谷修(2014)『前方後円墳の築造と儀礼』同成社
- 大場磐雄(1930)「断夫山古墳の造出に就いて」考古学雑誌20-1 0-1
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/08/29/9613545/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。