靫 ― 2023年10月28日 21:39
靫(ゆぎ)は矢をまとめて持ち運ぶために用いる矢入れ具である。
概要
靫は太い筒形で中は中空部分に複数の矢を入れ、腰につけて持ち歩く道具である。竹製で漆塗りが多いが、表面を張り包む材質により錦靫や蒲靫などがある。毛皮や鳥毛・毛氈の類を張ったものもある。 滋賀県彦根市稲部町の稲部遺跡で、「靫」の一部とみられる漆塗り繊維製品の断片が約10点見つかった。調査の結果、3世紀のものと判明した。これまで確認された靫は主に4世紀のものであるから、国内最古の可能性がある。靫などの放射性炭素分析や土器から年代は240年ごろとみられ、卑弥呼時代の祭祀の手がかりとなる。素材は絹と植物繊維である。
出土
- 革製漆塗靫 - 石山古墳出土、三重県上野市、4世紀後半
- 表面および両側面に文様を彩色し、上端に近く2個の巴形銅器を綴じつける
- 靫 - 稲部遺跡、滋賀県彦根市、3世紀中ごろ
- 靫 - 雪野山古墳、東近江市、漆製品、前期古墳
参考文献
- 「最古の矢入れ「靫」か 滋賀の遺跡で漆塗り繊維製品出土」,朝日新聞,2021年12月7日
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/10/28/9629211/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。