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天王森古墳2026年07月18日 00:05

天王森古墳(てんのうもりこふん)は山口県下松市桜町に所在する6世紀前半に築造された前方後円墳である。西日本でも有数の形象埴輪群が確認された古墳として知られる。 「東光寺東古墳」とも呼ばれる。

概要

天王森古墳は山口県下松市の市街地近くの高台にあり、南側には天然の良港として知られる笠戸湾が広がる。古墳は海を見下ろす丘陵先端部に築かれている。古墳周辺には案内看板や誘導サインが設置されている。 市指定史跡である天王森古墳では、団地造成に伴い令和2年度に工事立会調査が実施され、墳丘西側では周溝と考えられる溝(SD01)が確認され、多量の円筒埴輪片が出土した。猪形埴輪など動物埴輪の破片が確認された。埴輪は、形状及び製作技法に大阪府高槻市の今城塚古墳を代表とする近畿地方の埴輪と共通性がみられ、埴輪の特徴などから6世紀前半の築造と考えられている。天王森古墳は都怒国造の首長墓との説がある。笠戸湾の天然の良港を背景に、ヤマト王権と密接な関係をもち、先端文化を取り入れたとされている。

古墳の規模

古墳の規模は全長約43メートルから45メートルで、後円部は直径約25メートル、高さ約5メートル、前方部は幅約25メートル、高さ約4.5メートルである。

造り出し

天王森古墳は、前方後円墳のくびれ部分に「造り出し」と呼ばれる四角い張り出し部を備えている。造り出し周辺の周溝から極めて良好な残存状態の家形埴輪、人物埴輪、大刀形埴輪、盾形埴輪、靫形埴輪などの形象埴輪が複数出土した。造り出しは、葬送儀礼を行う場であったと考えられている。造り出しの周辺からは、山口県内では初確認となる金製垂飾付耳飾が出土した。形状は香川県高松市女木鳥の丸山古墳出土の金製垂飾付耳飾(高松市歴史資料館所蔵)とよく似る。

巫女埴輪

巫女埴輪は古墳時代特有の島田髷風の髪型である。首回りはボタン状の粘土で頸飾りを表す。意須比(おすい)と呼ばれる祭祀用の衣装は袈裟状の衣を右肩から下げ、背中に襷をかける。この埴輪は、葬送儀礼に関わる巫女を表したものとする説が有力である。

特徴

天王森古墳では武器・武具を表した形象埴輪が多いことが特徴である。盾形埴輪は盾の形状や2条1組の線刻による文様など今城塚古墳出土埴輪との共通性がある。大刀形埴輪は、西日本では東日本に比べて出土例が少なく、保存状態が良好であった。大刀形埴輪1体は、復元した全長が約120センチメートルにもなる大型品であり、形態や細部の表現は「今城塚古墳(大阪府高槻市)」の大刀形埴輪とよく似る。天王森古墳の被葬者は近畿地方と密接な交流をもち、王権系の埴輪工人の関与を受けることができた有力首長の可能性が指摘されている。今城塚古墳にも見られた家形埴輪も少なくとも4棟分が確認されている。

指定

  • 2017年(平成29年) 下松市指定史跡

アクセス

  • 名称:天王森古墳
  • 所在地:山口県下松市桜町三丁目1834番5号
  • 交通: 山陽本線 下松駅から徒歩27分(1.8km)

参考文献

  1. 下松市教育委員会(2026)『下松市文化財調査報告書1:天王森古墳立会調査概報』下松市教育委員会
  2. 下松市教育委員会(2025)「天王森古墳発掘調査現地説明会資料」