巴形銅器 ― 2023年10月01日 23:14

巴形銅器 (ともえがたどうき)は渦を巻いたような形の青銅器である。
概要
弥生時代から古墳時代にみられる青銅製の飾り金具である。 古墳時代では4脚式が一般的であるところから卍字形銅器とも言われる。弥生時代には7、6、5脚式があり、左廻りを原則とする。 西は対馬、九州から東は神奈川県にまで及ぶ。巴形銅器(ともえがたどうき)は日本独自の形状で、2世紀、弥生時代の終わりごろから作られた。当初は羽根が7、8枚ついていて、真ん中は円錐形に盛り上がっていた。特徴的な形は、スイジガイという巻貝を模したものではないか、という説が有力である。
朝鮮
日本列島で製作され、朝鮮半島に伝わった倭系の遺物の「巴形銅器」が13点、金海市の大成洞古墳群で出土した。盾の飾り金具でもとは槍や矛の一部であったといわれている祭りの道具とされる、大成洞古墳博物館蔵。
用途目的
用途は飾り金具またはお守りあるいは呪術的な祭祀道具と想定されている。 東大寺山古墳の巴形銅器は出土状況と木材や漆膜が付着していたことから、革盾に綴じ付けられていたと考えられ、錐部内部の小棒と紐を使って革盾や矢筒である靫(ゆき)に取付ける飾り金具として使われたとされる。 赤妻古墳出土の巴形銅器は円の中心に穴があいおり、その穴に棒を通し、戦いの際に盾)や、弓矢の矢を入れる容器に取りつけたとされている。4枚の羽根の先はとがっているが、武器ではない。古代においてとがったものは悪いものを追い払うという考えがあった。戦場で自分を敵から守るためのお守り的な用途と考えられる。
出土例
- 巴形銅器 - 東大寺山古墳出土、奈良県天理市、古墳時代、4世紀
- 巴形銅器 - 赤妻古墳出土、山口県山口市、
参考文献
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