賤機山古墳 ― 2025年12月24日 00:01
賤機山古墳(しずはたやまこふん)は静岡県静岡市にある古墳時代の円墳である。 日本100名墳に選出されている。
概要
静岡市中心部に突き出る賤機山丘陵の南端に作られた円墳である。標高約50m、比高差約30mの尾根上にある。 『駿河国志』(天保14年)などに江戸時代の明和年中に偶然に頂上部が穿孔され、その内部に石室石棺があり鈴・鏡等も見つかったと記される。
石室
石室の材料は賤機山丘陵から安倍川下流右岸にある玄武岩である。南面する横穴式石室は羨道と玄室がある。
羨道と玄室
玄室は奥行約6.8m、間口約2.10m、高さ約3.50mである。保存整備され、古墳の前部に解説板と野外模型が置かれている。羨道の幅は玄室の幅に比べて狭くなる羽子板状の平面形である。玄室の高さは羨道部の高さの約2倍ある。
石棺
刳り抜き式家形石棺は長さ約2.9m、幅約1.0mで両側にそれぞれ3個、前後面にそれぞれ1個の縄掛突起がある。石棺内は盗掘により、遺物はほとんど残っていなかった。蓋と身の合わせ目に、赤色のベンガラが塗られていた。
調査
1949年(昭和24年)に考古学者の後藤守一、斎藤忠らによる考古学的調査が行われ、径32m、高7mの円墳と判明した。 石室石棺をみつけ、残存する多数の遺物を見いだした。入口付近にに石室が置かれていた。家形石棺の周囲から金銅冠金具断片、金銅杏葉、歩揺付飾金具、金銅鞍金具、金銅雲珠、金銅鈴、鉄刀、鉄刀子、鉄鏃、鈴鏡残欠、銅芯金貼耳環、須恵器等が検出された。出土遺物から6世紀後半の豪族と推測された。金銅製冠帽は藤ノ木古墳のものと似ているとされる。
規模
- 形状 円墳
- 規模 径32m、高7m
遺構
- 円墳
遺物
- 六鈴鏡
- 銅芯金貼耳環
- 金銅製冠帽
- 歩揺付飾金具
- 金銅製空玉
- 銀製梔子玉
- 勾玉
- 丸玉
- 銀象嵌製円頭大刀(鳳凰文)
- 刀装具
- 唐草文透金銅鞘口金具
- 銅線鬘巻把間金具
- 銀象嵌装鉄製鐔
- 鉄製鉾先
- 鉄鏃
- 挂甲小札
- 鉄斧
- 刀子
- 馬具7領分
- 鞍金具
- 十字文透楕円形鏡板付二条引手轡
- 花形鏡板付轡
- 鉸具頭素環鏡板付轡
- 花形杏葉
- 棘葉形杏葉
- 馬鈴
- 金銅装木芯壺鐙
- 伏鉢形雲珠
- 辻金具
- 九曜文轡鏡板
- 九曜文杏葉
- 金銅製鞍橋
- 歩揺付雲珠
- 土師器
- 須恵器
- 承盤付銅鋺
考察
指定
- 1953年(昭和28年) 国の史跡指定
展示
- 静岡市埋蔵文化財センター
アクセス
- 名称:賤機山古墳
- 所在地: 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町
- 交通: 静岡駅 バス 10分(静鉄バス安倍線または美和太谷線「赤鳥居浅間神社入口下車徒歩3分」)
参考文献
- 静岡市観光交流文化局(2024)「賤機山古墳」
- 榊原長俊(1783)『駿河国志』8巻、国立公文書館
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