瓦塚古墳 ― 2023年05月22日 23:19
瓦塚古墳(かわらづかこふん)は埼玉県行田市にある古代の前方後円墳である。
概要
くびれ部前方部右側に近い部分に造出あり。周濠は方形の2重周濠。造出北西に外濠をまたぐ陸橋が発見されている。瓦塚古墳には多くの埴輪が並べられていた。整備に伴う発掘調査により、墳丘や中堤に様々な種類の埴輪が並んでいたことが判明した。土管のような形の円筒埴輪のほか、家形や水鳥、盾、人物を模した埴輪が出土している。人物は琴を弾く男子や馬を引く男子、首飾りを付けた女子など様々で、当時の服装や髪形、祭りの様子が分かる。 古墳群中では6番目の大きさの中型前方後円墳である。明治時代の初期、付近に瓦工が住んでいたことから、この名がつく。
調査
昭和54年度に瓦塚古墳の南側を調査。内堀と外堀の溝を検出。昭和57年度は墳丘西側、側面周濠を調査した。家形埴輪破片、男子人物埴輪、女子人物埴輪、鉄器が出土する。内堀は底面で幅3.3mから、3.7mを測る。
規模
- 形状 前方後円墳
- 墳長 75m
- 後円部 径38m 高5.1m
- 前方部 幅47m 長37m 高4.9m*外表施設
出土品
- 円筒埴輪 - 円筒Ⅴ式
- 形象埴輪
- 盾形埴輪、
- 武人埴輪、
- 弾琴男子埴輪
- 首飾りを付けた女子埴輪
- 馬を引く男子埴輪
- 家形埴輪 寄棟造
築造時期
- 1938年(昭和13年) 国指定史跡(埼玉古墳群)
弾琴男子埴輪
琴を弾く男子像は全国で30例ほどあるといわれる。全体の形状が判明しているのは10例と言われる。
- 蓼原古墳出土埴輪 - 横須賀市
- 弾琴男子像 - 相川考古館
- 琴を弾く男性埴輪 愛知県陶磁資料館
- 埴輪男子倚像 - 伊勢崎市 重要文化財
- 琴を弾く人物埴輪 - 忍ヶ丘駅前遺跡出土
- 埴輪 琴を弾く男子 - 栃木県真岡市 鶏塚古墳出土
- 琴を弾く男 - 世良田諏訪下遺跡 群馬県太田市
アクセス等
- 名称:瓦塚古墳
- 所在地:埼玉県行田市埼玉4834
- 交通: JR行田駅から市内循環バスで埼玉古墳公園前停留所下車
参考文献
- 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
- 埼玉県教育委員会(1986)『瓦塚古墳 埼玉古墳群発掘調査報告書第4集』
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/05/22/9588357/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。