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家形埴輪2023年07月20日 19:47

家形埴輪(いえがたはにわ)は家の形状を立体的に表した埴輪である。形象埴輪のひとつである。

概要

埴輪は屋根の形状から建築様式が分かる。切妻形、寄棟型、入母屋造りが4世紀にすでにみられる。古墳時代の全期間を通じて、家形埴輪は形象埴輪の中心部に置かれた埴輪であった。三重県石山古墳(4世紀末)では、墳丘の中心部に家形埴輪を設置し、その周囲を盾や円筒の埴輪を並べていた。家形埴輪は古代豪族の住んだ家を表したものであった。 従来は古墳時代前期後半の4世紀中頃以降に出現すると考えられているが、弥生時代終末頃の岡山県倉敷市女男岩遺跡から台付家形埴輪が出土しており、墳墓に家形土製品・埴輪を配置する習俗は古墳時代発生期においても、存在している可能性がある。

家の階数

家の階数は平屋式のものと高床式とがあり、二階部分は住居または収納空間として使われた。三階建て以上の埴輪は見つかっていない。

建物種類

家形埴輪には住居と倉庫の2種類がある。

家の構造出土例

  • 切妻形 出土総数では最も多い。古墳時代前半には草ぶきで屋根の大棟は雨水を防ぐため、木の皮等で棟覆いを被せ、押縁で固定していたようである。五世紀中頃は「いらか覆い」に堅魚木(かつおぎ)を乗せる家が主流となる。堅魚木を乗せる家は、群馬県茶臼山古墳(5世紀中頃)から出土している。
  • 入母造り 入母屋造りの家の埴輪は大阪府中田遺跡(4世紀)から出土している。二階建ての入母屋造りの家の埴輪は大阪府美園一号墳(4世紀後半)から出土している。
  • 寄棟型 福井県六呂瀬山一号墳か(4世紀後半)ら、寄棟造りの埴輪が出土している、
  • 片流れ 三重県石山古墳(4世紀末)から片流れ形状の家の埴輪が出土している。高さ44.0cm。

参考文献

  1. 高橋克壽(1996)『埴輪の世紀 歴史発掘9』講談社

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