宮ノ台遺跡 ― 2023年08月05日 09:46
宮ノ台遺跡(みやのだいしいせき)は千葉県茂原市にある弥生時代の遺跡である、「宮ノ台式土器」で知られる。
概要
茂原市南部の綱島地区の宮ノ台と称する三島神社背後の台地上に本遺跡は所在する。宮ノ台という独立丘陵上にある遺跡である。当遺跡が学界に知られるようになったのは、1892年(明治25年)の鳥居竜蔵の報告である。
調査
1935年(昭和10年)、1940年(昭和15年)の2回、台地上の西側及び南側斜面部の一部が、明治大学の杉原荘介により発掘調査された。発掘調査の結果、弥生土器とともに、この時代の特徴的な石器である柱状片刃石斧、大型蛤刃石斧などの磨製石斧や碧玉製の管玉などが出土した。調査はごく一部にとどまったが、遺跡の範囲は独立した台地上全域に拡がっているため、弥生時代中期後半の大規模な集落の存在が推定されている。
縄文時代
宮ノ台遺跡から出土した土器は「宮ノ台式土器」と命名され、南関東における弥生時代中期後半の標式遺跡となっている。東海地方に出土する櫛目文土器の影響を強く受けた弥生時代中期後半の代表的土器群であり、「宮ノ台式」と呼ばれる。その後、各地で数多くの発掘調査が実施された結果、宮ノ台式土器が東京湾を囲む地域に広く分布していることが判明している。 この地方でこれらを多く使用した時期であることを明確にした記念すべき遺跡である。
遺構
遺物
- 大型蛤刃石斧
- 碧玉製の管玉
- 磨製の太形石釜
- 石包丁
- 弥生時代中期~後期の作と思われる土器
指定
- 昭和48年1月10日指定、出土した遺物は、茂原市指定有形文化財(考古資料)となっている。
- 昭和53年2月28日 千葉県指定史跡
アクセス等
- 名称:宮ノ台遺跡
- 所在地:千葉県茂原市綱島1192番地
- 交通:茂原駅から徒歩41分 3.2km
参考文献
- 杉原荘介(1942)「上総宮ノ台遺跡調査概報 補遺」(『古代文化』13-7
- 水野 清一,小林行雄(1959)『図解考古学辞典』(「宮ノ台遺跡」) 東京創元社
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