垂飾 ― 2023年08月31日 08:30
垂飾(すいしょく)は装飾的な効果を高めるために身体につけて吊り下げたすべてのものをいう。
概要
琥珀や翡翠などを加工し、紐を通してネックレスのように使われたと考えられるもの、 冠につけたものを冠垂飾、腰帯につけたものを腰佩、馬の体に巡らせた帯を杏葉という。 素材が金のときは金製垂飾という。 新羅麻立干期(4世紀後半〜6世紀前半)では、冠帯に吊り下げた垂飾がみられる。新羅陵墓では被葬者の頭側から金製垂飾のみ発見される場合がしばしばある。これは冠を革や麻布などの有機物で作っているため、それらがすべて腐食してなくなってしまったためと推定されている。 縄文時代や弥生時代などから使用されているが、その後も使われる。
出土例
- 垂飾 -石神貝塚、埼玉県川口市、縄文時代後期、ヒスイを加工した首飾り。
- 垂飾 -甲ッ原遺跡、山梨県北杜市大泉町、琥珀製の垂飾
- 垂飾 - 岩手県陸前高田市小友町門前出土、骨角製、縄文時代 4000年前~2300年前
参考文献
杏葉 ― 2023年08月31日 08:38
杏葉(ぎょうよう)は馬具の一種で,馬の尻部に取り付けたり胴部から垂下される装飾品である。垂飾の1種である。
概要
権力者が 馬を豪華に飾り立てて権力をを誇示するために作った。 帯革に取り付けられる。初期のものは装飾性が乏しいが、その後、剣菱形、楕円形、鐘形などが現れる。剣菱形杏葉は鈴付きなどがあり、装飾性が次第に顕著となる。杏葉は轡に付けられる鏡板と同種のものがセットになることが多い。青銅製、鉄地金銅張、金銅製などがある。 透し彫りを持つ杏葉は,朝鮮半島の新羅から伝わった。倭国と新羅の交流を示す器物といえる。騎乗には必要がないものであるが、飾ることが目的のため、意匠が凝らされ、さまざまな形や文様の杏葉が作られた。 形状が杏(あんず)の葉に似るために命名されたと考えられる。馬具の杏葉は、古墳時代の鞍や後の唐鞍の鞦(しりがい)につけた装飾具である。
出土例
- 心葉形杏葉 二塚古墳出土、福山市、7世紀前半
- 双鳳文杏葉 珠城山三号墳 出土、奈良県、古墳時代 6世紀
- 心葉形杏葉 新羅慶州市出土、金銅製、韓国国立中央博物館
- 心葉形杏葉 持田古墳群出土、宮崎県児湯郡高鍋町、古墳時代後期 6世紀
参考文献
突帯文土器 ― 2023年08月31日 22:08
突帯文土器(とったいもんどき)は口縁部や肩部に突帯と呼ばれる粘土の帯を貼り付けた土器である。
概要
縄文晩期から弥生早期にかけて九州から東海地方東部までの広い範囲に成立した土器である。壺・鉢・高坏など日常に使う土器が多い。
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