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桑57号墳2023年07月26日 18:25

桑57号墳(くわごじゅうななごうふん)は栃木県市にある古墳時代の古墳である。

概要

1940年の古墳調査の際に、喜沢に桑50号~60号までの6基の古墳が記録されていた。古墳は、1971年(昭和46年)から1972年(昭和47年)にかけて発掘調査が行われ、木棺直葬の埋葬施設から、直刀・鉄剣・蛇行剣・銅鈴・ボウ製鏡・天冠などが出土した。 墳名の桑は市町村合併前に桑村に属していたことからつけられた。

発掘調査

1970年、小山ゴルフクラブでは古墳とは知らずに採土しようとブルドーザーを入れた (工事前には事前調査が必要) 墳丘が少し崩されたところで、小山市教育委員会により工事がストップされ、古墳である ことを知らされたゴルフクラブの費用負担など全面的な協力の下、調査が行われた。円丘部に掘られた割竹形木棺を納めたと思われる墓坑内から、30代女性のものとみられる歯や銅鏡3面、玉類、金銅製冠、銅鈴、蛇行剣を含む刀剣類など多くの副葬品が出土した、一人分の歯しか見つからず、夫など親族と共に葬られたのではなく、追葬などもなく、被葬者は単独で葬られたようである。この女性のためだけに、古墳群で最も大きな墳丘が築かれ多くの希少な副葬品が収められた。相当力を持った首長と思われる。出土した歯から被葬者は30歳前後の女性であった。 第一次調査は第二次調査ではまた墳丘全体外面に葺石を貼っていたことが判明した。裾部では円筒埴輪列を検出した。外側には周濠を伴わない。

古墳の規模

  • 形状:帆立貝式古墳
  • 直径:32.4m
  • 高さ:5m
  • 面積:390m2

遺構

蛇行剣

出土した蛇行剣は、全長73cm、身長58.2cm、茎長17.8cm、区巾4.6cm、厚さ5mmで身に萢が通らず、両刃の剣造りでありながら、切先は刀造りであり。蛇行剣の銘文はない。身は、それぞれ浅い3つの弧を交互に平行に描く様な形状で、弧の交点が鈍角の三角形となり突出しているため、七支刀とは別の系譜の大刀である。

遺物

小山市立博物館で展示する。

  • 器材埴輪
  • 動物埴輪
  • 鳥形埴輪
  • 人物埴輪
  • 直刀 1
  • 鉄剣 1
  • 蛇行剣
  • 鹿角装刀子
  • 刺突具
  • 銅鈴 8個
  • 仿製鏡
  • 天冠
  • 丸玉 – 滑石製
  • 小玉 – ガラス製
  • 砥石

時期

  • 築造時期は5世紀後半とされる。

指定

  • 1983(昭和58)年 市指定史跡(小山ゴルフクラブ内古墳群)

アクセス等

ゴルフ場のフロントで許可を頂いて場内に入る。

  • 名称:桑57号墳
  • 所在地:栃木県小山市大字喜沢1140 小山ゴルフクラブ内
  • 交通: JR 小山駅から60分 約4km

参考文献

  1. 「下野市・壬生町周辺の古墳群」下野市教育委員会 壬生町教育委員会
  2. 小山市教育委員会(1972)『桑57号墳発掘調査報告書』

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