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西岩田遺跡2026年07月28日 00:05

木製仮面/西岩田遺跡/筆者撮影

西岩田遺跡(にしいわたいせき)は、河内平野中央部に位置する古墳時代の水辺集落遺跡である。古墳時代初頭の河内と吉備地方との交流を示す土器(庄内式土器成立期における技術交流や人の移動を考えるうえで重要な資料となっている)や、全国でも出土例の少ない3世紀前半の木製仮面が発見されたことで知られる。

概要

西岩田遺跡は河内平野のほぼ中央に所在する。弥生時代中期以前には現在の遺跡付近は河内潟・河内湖の水域に含まれ、水面下にあった。弥生中期末以後の海水面の低下と旧大和川による急激な沖積作用とによって陸となり、河内湖の水域を前面に望む微高地が形成され、5世紀頃から集落が営まれるようになった。西岩田遺跡は古墳時代には水辺の集落遺跡であった。木製農具が出土していることから、西岩田周辺では農耕が行われていたと考えられる。南方に位置する集落に比較すると半農半漁であり、水上交通の拠点であったと考えられている。

調査

1960年代に発見され、昭和46年には中央南幹線下水管渠築造に伴って西岩田遺跡で最初の発掘調査が実施された。出土土器のなかで近畿地方の古墳時代初頭の土器型式(庄内式から布留式古段階)と、近い時期の吉備地方の土器型式(吉備地方の酒津式土器)とが同じ地層から出土することが注目された。

庄内式の甕にみられる胴部内面をヘラで削る技法は吉備地方の影響を示す資料として注目された。1971年(昭和46年)調査では古墳前期の井戸や奈良時代の掘立柱建物などが検出された。

1982年(昭和57年)の発掘調査では、古墳時代前期の溝、奈良時代の柱穴などを検出した。建物の規模は、一例として横幅7.2メートル、奥行き3.6メートルなどの大きさが推測されている。検出された柱穴や住居跡は、古墳時代前期のものから、井戸や溝などとともに奈良時代から中世のものまで重層的に確認されている。 奈良時代の建物の下層から古墳時代中期ないし後期の遺物が発見された。須恵器が多く、特に高坏が多く出土した。そのほか高坏に載せる蓋、坏身、壺、甕、製塩土器などの土器のほか、石製臼玉が出土した。その下層から籠目土器、船の櫂、横鍬(田を均すために使う)などの農具、有頭棒などの木製品が出土した。

木製仮面

2023年4月の発掘調査では、特に国内で数例しかない3世紀前半の木製仮面が出土し、全国的に注目を集めた。公益財団法人大阪府文化財センター(2025)では当時3例目の木製仮面とされている。長さ29.9㎝、幅17.7㎝、最大厚さ2.0㎝と、人の顔の形・大きさに近いサイズである。穿孔や隆起部による目や鼻などの顔面表現がある。材質は杉材で作られている。 裏面は平らで顔の凹凸に合わせて削られておらず、仮面は厚みと重量があることから、顔に直接装着する使い方ではなく、顔の前で「手で掲げる」あるいは木や壁などに「吊り下げて」使う儀礼に使われたと見られている。

仮面は地表から約2.9メートル下の洪水堆積層から見つかった。水をためる容器や、炭化した(燃やされた)「くわ(鍬)」などの農具が一緒に出土している。目の仕上げ方などは奈良の木製仮面との共通点が認められる。そのことから「奈良県の纒向遺跡や大福遺跡と祭祀・儀礼形態を共有していた可能性が高い」(公益財団法人大阪府文化財センター(2025))とされ、祭祀との関わりを考える上で重要な資料として注目された。

纒向遺跡や大福遺跡との共通性は、3世紀前半に祭祀・儀礼の共通基盤が畿内各地へ広がっていた可能性を示唆する。 木製仮面周辺から出土した木材3点の放射性炭素年代測定では、1850±20BP、1860±20BP、1890±20BP(IntCal20による較正年代であり、2世紀前半から3世紀前半頃)という年代値が得られている(公益財団法人大阪府文化財センター(2025))。

説明会

発掘調査に伴い、2022年6月23日に現地見学会が開催され、調査成果が一般公開された。

遺構

  • 竪穴建物
  • 倉庫
  • 掘立柱建物
  • 土壙-
  • 井戸

遺物

  • 土師器
  • 須恵器
  • 瓦器片
  • 古瓦片
  • 摺鉢片
  • 石製臼玉
  • 製塩土器

指定

時期

アクセス

  • 名称:西岩田遺跡
  • 所在地:大阪府東大阪市西岩田3丁目/4丁目
  • 交 通:近鉄奈良線 若江岩田駅 徒歩16分

参考文献

  1. 瓜生堂遺跡調査会(1976)「西岩田・瓜生堂遺跡 試掘調査報告書Ⅰ」
  2. 公益財団法人大阪府文化財センター(2025)『公益財団法人大阪府文化財センター調査報告書346:西岩田遺跡2』公益財団法人大阪府文化財センター

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